陶氏診療院

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科学の不確定性
カテゴリー 生活の知恵
朝日新聞デジタル1/18(水) 7:52配信のニュース「カロリー制限、やっぱり長寿に効果 論争に終止符か」が気になりました。

「カロリー制限はやはり長寿に効果がある、とする研究結果を米国の二つの研究チームがまとめ、17日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した。両チームは1980年代後半からアカゲザルで実験を続け、効果をめぐって相反する結果を発表。両チームが共同で実験データを再解析し、「効果あり」で結論が一致したという。・・・」

いずれも、好きなだけ食べさせる集団と、それよりも摂取カロリー量を3割減らした集団で生存年数などを比較する実験をしているが、ウィスコンシン大学は大人の7~15歳なのに対し、2009年と14年に「効果あり」、国立加齢研究所は1~23歳と幅広い、12年に「効果はなかった」のところ、年齢を若年(1~14歳)と中高年(16~23歳)に分けて改めて解析すると、若年でカロリー制限を始めた場合は寿命が延びる効果はみられなかったが、中高年で始めた場合は効果がみられ、特にオスは平均寿命の推計が全体よりも9歳ほど長い約35歳だったという結果になりました。同じ条件しないと実験の結果に比べにはならないのは、科学研究の基本です。しかし、再解析しないの長い間、自分の結果が正しいと強調する科学専門家に、疑問に思います。

科学は分科の学問の略語で、分科することは特定の条件を付けることです。特定の条件の下で得た結果は、その条件は大事です。条件以外には通用しないことも十分可能です。それを無視して断言的な発言はとても危険です。

科学は近代社会に有用な手段として、人々の生活の便利といろいろな謎を解けていただきました。しかし、科学迷信や科学依存症には要注意です。

動物実験は、大人の「カロリー制限、やっぱり長寿に効果」とのことは間違いないです。

『東京都健康長寿医療センター研究所の石神昭人研究部長(老化制御)は「論争に一つの終止符が打たれた。約30年に及ぶカロリー制限の研究データは、人間にも置き換えることができそうだ」と』話しました。
2017-01-18