陶氏診療院

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NHKスペシャル「未完のバトン」第2回『秩序なき世界 日本外交への“遺言”』を見て
5月4日(日)に放送されたNHKスペシャル「未完のバトン」第2回『秩序なき世界 日本外交への“遺言”』を視聴しました。

番組では、2023年3月6日午後、理事長として執務中に急性大動脈解離で亡くなった政治学者・歴史学者(専門は日本政治外交史)、国際問題評論家である五百籏頭眞(いおきべ まこと)氏について取り上げられていました。享年80歳でした。

五百籏頭氏は、歴代の総理大臣たちとの膨大なやり取りを記録し、日本外交の針路を探ってこられました。今や通用しなくなった従来の常識に基づく外交から脱却し、リーダーの個性が色濃く反映される大国と、これから日本はいかに付き合っていくべきかを問い続けてきた方です。

番組では、幾多の試練を経た外交の舞台裏が紹介され、「隣交」というキーワードをもとに、21世紀日本外交の指針となる考えが語られました。たとえば、2008年には日中両国が「戦略的互恵関係」に関する共同声明を発表し、その後の関係の基盤となってきたことも取り上げられていました。

五百籏頭氏は亡くなる1か月前にも講演を行い、2025年の「秩序なき世界」を予測しつつ、日本の未来に向けた提言をされていました。政治学者としての深い洞察と知恵を、番組を通して改めて知ることができました。

中国のトップ指導者からも信頼を得ていた五百籏頭氏の急逝は、非常に残念でなりません。日中両政府に対し提言を行ってきた「新日中友好21世紀委員会」の委員としての功績を思うと、今後の日中関係が健全に発展していくことを心より願っています。
2025-05-06