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長生きする読書術:「『空腹』こそ最強のクスリ」青木厚著

生活習慣病治療の専門医である著者は、「“1日3食取るのが体にいい”は間違いである」と断言する。それは近年研究が進み、2016年には東京工業大学の大隅良典栄誉教授がノーベル生理学・医学賞を受賞した「オートファジー」の研究でも明らかだ。

 実は、1日3食が理想であるという考え方には、確固たる裏付けがないという。むしろ、1日に3回も食事をすると、内臓が十分に休むことができずに疲弊し、消化しきれない食物によって腸内環境が悪化。体内にさまざまな炎症反応が起きるなどして、各種の生活習慣病リスクが高まる恐れもある。

 そこで、近年注目なのがオートファジーである。私たちの体を構成する60兆もの細胞は、主にタンパク質でつくられている。日々の生活の中で、古くなったり壊れたりしたタンパク質の多くは体外に排出されるが、排出し切れなかったものは細胞内にたまり、細胞を衰えさせて各種疾患の原因となる。

 しかし、何らかの原因で細胞に十分な栄養が入ってこなくなると、この古くなったり壊れたりしたタンパク質をかき集めて分解し、新しいタンパク質がつくられることが分かってきた。これがオートファジーであり、古くなった細胞を内側から新しく生まれ変わらせる仕組みなのだ。

 オートファジーを働かせるには、細胞が飢餓状態になることが条件。具体的には、最後に食事をしてから16時間が経過する必要がある。一見大変そうだが、8時間睡眠を心がけ、寝る前に4時間、起きた後に4時間食事をせずに過ごせば、目標達成だ。十分な空腹時間さえつくれば、食事内容には大きな制限は必要ないと本書。やってみる価値はありそうだ。(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/249389より)
2019-04-26