陶氏診療院

アクセスカウンター


▼中国医学バックナンバー
過去ブログはこちらから
中西医学研究基礎レベルの違い
カテゴリー 中国医学
大学から西洋医学を勉強しました。西洋医学の基礎は解剖学です。

解剖学は人体死体の解剖から、いろいろな人体の構造を勉強して、それで人間の仕組みから機能まで理解しようとします。

たしかに、物質レベルで骨格や筋肉、又は神経、血管など見えるレベルで、停止している人体の状況を理解ができます。しかし、人体の新陳代謝、生きている世界は、見えるレベルの物質だけでは説明がつかないことが多いです。

生命活動を生きている身体で観察することは限界があり、特に病理的な変化は人体実験では出来ないから、より難しいです。そのため、人間に近い動物を利用して、動物病理実験や薬理実験で人間の生命活動を解明しようと考えます。

しかし、動物と人類の違いは、どんな動物実験でも人類は同じことが起こるとは何も保証がないでしょう。心と自主の考え方で、同じ条件で病気になることはないからです。

中国医学は長い5千年の歴史の中で、生きている人から生命現象を数千年単位で観察と研究勉強しました。人の健康を最終目的として、中国医学は人と自然の調和を理解し、人体の形だけにとどまらないで、その機能を深く理解し、形から機能、表面から中身まで、哲学的な発想で人体の仕組みを理解できました。それは2010年世界無形文化遺産登録された「中国伝統医学の鍼灸術」です。

生きている人から得た生命情報、更に人々の健康に還元して生かして、5千年の中国医学は人類の文明発展と進化に大きな貢献をもたらしてくれました。

死体からの人体についての知識と生体からの人体についての知識、その差が大きいです。

例えば、生きている人々の消化器官の長さと死体で測っている長さは全く違います。もし、死体の測量した腸の長さで、手術を設計するなら、大変なことになります。死体の腸は張力がなくなり、かなり長く伸びます。しかし、生体の腸は、麻酔しても張力を持ち、短いです。

西洋医学では新進の科学として、分かりやすい面では医学をサポートしています。しかし、哲学的な中国医学には、足もとにも及ばないことは、先人の知恵に頭が下がります。西洋医学を勉強している私は、中国医学を一杯勉強しないといけないでしょう。
2016-05-03