陶氏診療院

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睡眠と太陽③睡眠の損と得
カテゴリー 中国医学
早寝早起きができない理由は「損する」と思うからです。遅く起きることで、沢山の仕事、遊び、楽しみがしているから、「得する」と考え、その考える人は、早寝は「損する」ことと捕らえ、なかなかできないでしょう。

老子道徳経の「同出而異名」はその意味を言っているでしょう。物事の見方は角度(立場)による、損と得に変わります。箸を例にすると、横に見ると「線」になり、立てに見ると「点」になり、どちでも箸です。

遅くおきている人は、朝の5時前後はなかなか起きれないでしょう。遅く寝る人から見ると、活動の時間が多くなり、得になります。しかし、朝早く起きないことは、まるで農家さんは春になっても種まきしないで、三ヵ月後種まきしても、秋になると結果が出るでしょう。収穫は少なくなるでしょう。それは「得」と「損」の関係でしょう。

遅く寝る人は、目の前に活動の時間が多くなるから、得に受けます。しかし、翌日早起きが出来ないことで、翌日の「陽気」は出ないから、体内にこもると「火気」と「濁酸」(中国医学では病理的な代謝物質)になります。

早起きできない人は、なかなか元気が出ずらいです。遅くおきるほど元気になることはないです。良く日曜日の休日があるから、前日の土曜日に遅くまで遊んで、日曜日は昼ごろまで寝ます。しかし、「陽気」は生まれないから、昼「十分に」寝ても、起きたら元気がなかなかでないでしょう。起きても怒りっぽい、理由は生まれなかった「陽気」は「火気」になり、邪気が「脾」に犯し、「脾気」が強くなり、怒りっぼくなります。「濁酸」のような酸性代謝物質は「腎」を犯し、「腎病」も増えることは間違いないでしょう。(現代の痛風、尿蛋白などの病気と関係します。)


睡眠の損と得は物事の二面性で、目的により、解釈は違います。陽気が強い年齢に、その「損する」事は身体に現せないかもしれないでしょう。しかし、40歳超えると、蓄された問題は一気に出る事も、後悔しては間に合わないです。健康な時、損得を考える時、目的の長い人生のことを念頭にいてれ判断しましょう。

病気になった瞬間、早く元気に戻るため、早寝早起きは処方の一つになります。相談の余地もないでしょう。現在病院や家に寝たきりの人も、以前の人生に睡眠不足の「借金」が多すぎるからでしょう。(笑)
2015-04-29