陶氏診療院

アクセスカウンター


▼中国医学バックナンバー
過去ブログはこちらから
中国医学の天人合一*
カテゴリー 中国医学
中国医学の一つの特徴は「天人合一」です。天は宇宙天体自然のことを言います。人は我々の個体、身体です。古代には、人の心・性は天と通じあっていると考え(孟子)、また人には天が投影していると考えました(前漢董仲舒)。この考え方が宋代に発展し、宋学の重要な基礎観念となりました。

中国医学の天人合一は様々なところで表します。ここではツボ経絡と周天の関係を例として、話します。

中国医学の小周天は督脈と任脈の循環です。督脈と任脈のツボは、急性病気の治療に向きます。心臓病、脳卒中、意識不明、癲癇、高熱、熱中症などに優先して、選択します。

病気によりツボを選ぶより、治療する時間で、ツボを選ぶのは中国医学の天人合一です。

具体的時間とツボの選択は:子時(23:00-1:00)会陰穴(任脈);丑時(1:00-3:00)腰陽関穴(督脈);寅時(3:00-5:00)背中穴(督脈);卯時(5:00-7:00)神道穴(督脈);辰時(7:00-9:00)大椎穴(督脈);巳時(9:00-11:00)風府穴(督脈);午時(11:00-13:00)百会穴(督脈);未時(13:00-15:00)承漿穴(任脈);申時(15:00-17:00)天突穴(任脈);酉時(17:00-19:00)膻中穴(任脈);戌時(19:00-21:00)中脘穴(任脈);亥時(21:00-23:00)関元穴(任脈)。

例えば、昼で心臓病発作したら、時間は11:00-13:00の午時、治療選択するツボは百会穴(督脈)です。鍼灸でも、カッサでも、按摩でもいいです。

中国医学の大周天は十二正経の循環です。十二正経のツボは、慢性病気の治療に向きます。神経筋肉の麻痺、慢性咳、慢性胃痛、頭痛、高血圧、低血圧、高脂血症、慢性疼痛(関節など)、痛風など、十二正経のツボ優勢選びます。

十二時辰に合わせて、十二正経の表裏関係によりツボを選びます。正経の原穴(げんけつ)と表裏経絡の絡穴(らくけつ)を組み合わせて、治療を使用します。

具体的時間とツボの選択は:
子時(23:00-1:00)胆経原穴:丘墟穴+肝経絡穴:蠡溝穴;
丑時(1:00-3:00)肝経原穴:太衝穴+胆経絡穴:光明穴;
寅時(3:00-5:00)肺経原穴:太淵穴+大腸経絡穴:偏歴穴;
卯時(5:00-7:00)大腸経原穴:合谷穴+肺経絡穴:列缺穴;
辰時(7:00-9:00)胃経原穴:衝陽 穴+脾経絡穴:公孫穴;
巳時(9:00-11:00)脾経原穴:太白穴 +胃経絡穴:豊隆穴;
午時(11:00-13:00)心経原穴:神門穴+小腸経絡穴:支正穴;
未時(13:00-15:00)小腸経原穴:腕骨穴+心経絡穴:通里穴;
申時(15:00-17:00)膀胱経原穴:京骨穴+腎経絡穴:大鐘穴;
酉時(17:00-19:00) 腎経原穴:太谿穴+膀胱経絡穴:飛揚穴;
戌時(19:00-21:00)心包経原穴:大陵穴+三焦経絡穴:外関穴;
亥時(21:00-23:00)三焦経原穴:陽池穴+心包経絡穴:内関穴。

天人合一のツボの選びと配合により、治療効果が上がり、即効性も現し安いです。

*「天人合一」。これは中国古代からの哲学概念であり、「天と人とは理を媒介にして一つながりだと考える」(『広辞苑』)
2023-05-30