陶氏診療院

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冬の見えない殺し屋 ― 室内の二酸化炭素濃度 ―
室内の二酸化炭素(CO₂)濃度の基準は、一般的に1,000ppm以下が適正とされています。これは「建築物衛生法(ビル管理法)」に基づく管理基準です。
1,000ppmを超えると、頭痛、眠気、倦怠感などの健康影響が現れる可能性があり、換気不足のサインと考えられます。

室内二酸化炭素濃度の目安
350~450ppm:外気レベル(非常に新鮮)
450~700ppm:通常の室内レベル
700~1,000ppm:許容範囲(1,000ppm以下を維持したい)
1,000ppm以上:換気が必要。眠気、頭痛、集中力低下を感じる人が出始める
2,500ppm以上:健康に悪影響を及ぼす可能性があるレベル

これを読むと、私たちの日常生活の環境で、どれほど二酸化炭素濃度を意識しているでしょうか。

満員の新幹線や高速鉄道では、特にトンネルを連続して通過する際、気圧調整のため一時的に車内が密閉状態になります。このとき、車内の二酸化炭素濃度は2,000~3,000ppmまで上昇することがあり、眠気を感じる原因の一つになります。
もっとも、これは短時間であるため、健康への影響は限定的です。

しかし、本当の「冬の見えない殺し屋」は、私たちの身近な場所に存在します。それが寝室です。

二酸化炭素濃度が高くなると、血液のpHは軽度に低下し、身体は軽い酸性状態(軽度の酸中毒)になります。その結果、神経系が抑制され、眠気、頭痛、集中力の低下が起こります。
特に問題なのは、高度な認知機能の低下が40~90%にも及ぶと報告されている点です。

冬の寝室や車内では、眠気や頭痛を単なる疲れと考えがちですが、二酸化炭素濃度の影響にも目を向ける必要があります。

例えば、15㎡の密閉された寝室で2人が就寝すると、約3時間後には 1,500ppm、深夜には 2,500~3,000ppmまで二酸化炭素濃度が上昇します。8時間睡眠を考えると、脳は一晩中、高二酸化炭素濃度による酸性傾向の血液環境にさらされることになります。

研究によると、1,900ppmを超えると深い睡眠が得られにくくなり、早朝覚醒、起床時の頭痛、口の乾燥、眠ったのにスッキリしないといった症状が増えることが分かっています。

車内も同様です。4人が乗車すると、わずか15分で二酸化炭素濃度は400ppmから3,000ppm近くまで上昇することがあります。これは疲労運転のリスクを高めます。冬の学校教室でも、似た現象が起こりやすい環境にあります。

対策のポイントとして、「完全な密閉」よりも、わずかな隙間がある空間を意識し、二酸化炭素濃度を1,000ppm前後に保つことが重要です。

それだけで、睡眠の質は大きく改善し、長時間の夜間運転による疲労も軽減し、する可能性があります。

私たちが毎日体内に取り込む物質の量は、食べ物:約1kg;飲み物:約2kg;空気:18~24kg、圧倒的に多いのは「空気」です。その大切な空気の健康基準を、あなたは意識していますか?
2026-01-28