陶氏診療院

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ドクター陶の健康コラム・連載・vol.45 竹炭の研究
高陽社の月間コーヨーライフ2023年十二月号に、「ドクター陶の健康コラム・連載」。内容を紹介します。

竹炭の研究

最近、友人から池嶋庸元著「竹炭は効く」という本をすすめられ、読んでみたところ、竹炭の効用が不思議で気になりました。
この本によると、中国で発見された2千年以上前のミイラが、まるで埋葬された当時そのままの状態で保存され、肌に弾力まで残っていたそうです。棺の周囲には約5トンの木炭が使われており、炭の吸湿性と抗酸化作用を昔から利用していたことに驚きました。
また、竹炭はカルシウム・カリウムなどの栄養素を含み、動植物へのミネラル補給源となってきました。竹炭は木炭より孔が多く、備長炭より強い吸引力をもちます。この孔は微生物のいわば高級マンション。その浄化力はエコ生活環境に貢献しています。
竹炭製造時に採集される竹酢液にも抗酸化作用があり、健康維持や環境浄化に利用されてきました。

しかも竹の生命力には驚くべきものがあります。成長は著しく早く、1日に1メートル以上伸びるのも珍しいことではありません。
広島・長崎に投下された原爆の被害にも、ベトナム戦争で米軍が使った枯れ葉剤の被害にも屈せず、自らの力で再起した竹のたくましさ。その可能性を池嶋庸元氏は書いています。
中国では、竹と言ったらパンダ。タケノコは人の食用に、そして鑑賞用、容器や家具、工芸品、建築材料など、さまざまな領域で活用されています。竹炭の加工は、普通の木炭よりコストがかかりますが、その健康効果を考えると、人気があります。

今年11月6日、北京で国際竹藤組織(INBAR)の設立20周年にあわせて竹と藤のグリーンな発展と途上国間協力に関する閣僚級会合が開催され、「竹と藤からプラスチックを替えるグローバル行動宣言(2023-2030)」も発表されました。
地球で化学物質が過剰に使用されている現在、竹や竹炭の研究をすることで、何かヒントが生まれるのではないでしょうか。
2023-12-06