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蓋棺定論*(棺を蓋いて事定まる)
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中国の諺「蓋棺定論」は人間の真価は、死んでから決まるとの意味で、人事は棺を蓋 (おお) うて定まるのように、蓋棺事定 (がいかんじてい)とも言います。

中国では、人は常に成長と環境により変化します。死ぬまでは決まらないの意味も使えます。

しかし、人は死んだら、本当にその人のことを「定まる(さだまる)」ですか?最近の一人政治家の死去により、定まらない世論を聞きました。

2023年11月29日、冷戦期のアメリカで国務長官として外交政策を担ったヘンリー・キッシンジャー氏が死去しました。100歳でした。彼の蓋棺論定は真二つ別れ、米ニュースサイト「ザ・デイリー・ビースト」は「ヘンリー・キッシンジャーは20世紀最大のモンスターの1人だった」というタイトルで、サブタイトルでは「彼はあけすけな戦争屋で、戦争犯罪人だった。この国で、彼がセレブとして100歳まで生きたことはアメリカの恥だ」とまで言い切っていました。1977年までの8年間で、ヴェトナム戦争へのアメリカの関与を終わらせ、中国との国交を正常化し、1973年の第4次中東戦争ではエジプトとシリア、イスラエル間の敵対行為を停止させました。シャトル外交という考え方はこのときに生み出された。キッシンジャー氏は中国で不滅の人気を誇り、訃報はすぐにソーシャルメディアの「微博(ウェイボー)」でトレンド入り、中国中央電視台の英語放送「CGTN」は、キッシンジャー氏を「中国国民の古い友人」と呼び、死去を伝えました。中国中央電視台の放送では、米中関係で重要な役割を果たした同氏を、「伝説の外交官」「生きた化石」と説明しました。(英語記事 Ex-US Secretary of State Henry Kissinger dies, 100より)

今の世の中、世論は事実とフェイクニュース、良心の発言と資本の考え、言葉の通じない動物の中、人類だけが言葉に翻弄され、シンプルな世界を複雑にしました。動物の生存繁栄の主旨から、はみだされて、醜い世界が広がって、被害する人類のほかに、地球も一緒に被害者になりました。

キッシンジャー氏は西洋世界に、中国に現地に入り、中国の文化と歴史を真正面に受けて、著書「キッシンジャー回想録 中国」は中国への認識は次元が高い、今のアメリカの政策に反する世界秩序を合理的な解釈があり、米中友好に貢献しました。「キッシンジャー氏は今年5月に100歳を迎えたが、7月には中国の習近平国家主席と会うために北京を電撃訪問するなど、晩年になっても精力的な活動を続けた。同氏は、毛沢東氏から習近平氏までのすべての中国の指導者と直接やりとりした唯一のアメリカ人でもある。」米中ハネムーン時代を作り、その結果、中国急成長により、今の世界に平和につながるほど、評価するべきでしょう。

*蓋棺定論同蓋棺論定。出所:明·呂坤《大明嘉议大夫刑部左侍郎新吾呂君墓志銘》:“善悪在我,毀誉由人,蓋棺定論,无藉于子孫之乞言耳。”
2023-12-03