陶氏診療院

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今求められる医療:統合医療とその在り方
カテゴリー 講演会
10月23日、第17回日本統合医療学会(IMJ)北海道支部会の特別講演は、東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科教授(元東京女子医大教授)川嶋朗氏の講演「今求められる医療:統合医療とその在り方」がありました。講演中も何回も拍手を受けて、共鳴しました。

川嶋先生は西洋医学をしながら、伝統医学の良さを積極的に患者さんに提供して、患者さんの絶大の支持があります。しかし、現在西洋医学の医学会の会長の方針とは見合わないので、大変なバトルがあり、しかし、真実は一つしかないから、いつか川嶋先生の先見の明が認められるでしょう。

講演中、川嶋先生は各国の統合医療の事情を紹介して、日本では大変遅れたことが分かりました。西洋医学の先生の頼り、根拠なしの依存性、医療費の無駄と膨張につながります。無意味の画像診断や医師による価値観の押しつけ、人生まで預ける患者さんの依存心などを指摘して、もう一度医患関係を見直し、真の統合医療を一緒に考えましょう。

現代西洋医学では、お任せ医療とイクスキューズ医療です。「お任せ医療」とは、患者さんが医者に頼り切って依存することです。「先生にお任せします」「体のことは難しくてわかりません。どうしたらいいでしょう?」という言葉をよく聞きます。「イクスキューズ医療」とは、ある意味、責任回避を指します。「再発しないとは限りません」「可能性は否定できません」「治ることはありません」「治療は生涯継続です」などの言葉です。風邪に「抗生物質」というのも医者のイクスキューズです。肺炎などの細菌感染を風邪と誤診したら訴えられるので念のための抗生物質です。頭痛の患者さんで、脳腫瘍や脳血管障害の疑いがほとんどないのに行うCTやMRIといった画像診断などもイクスキューズ医療です。

なるほど、医療費の膨張は、一人一人の考え方を治さないと、今の現状は変わらないでしょう。

これから、統合医療は各国の経験を勉強して、日本国の事情に合うような対策を取らないと大変なことになるのが良く分かりました。
2015-10-29