陶氏診療院

アクセスカウンター


▼推薦文章バックナンバー
過去ブログはこちらから
適量の飲酒は健康に良いは人生最大のウソかも
カテゴリー 推薦文章
2018年「The Lancet」雑誌に、「The level of alcohol consumption that minimised harm across health outcomes was zero(95% UI 0·0–0·8) standard drinks per week.」(健康評価週間アルコール消費のレベル最少量は0(95%UI 0・0--0・8))の論文を発表しました。

今まで、習慣から伝統まで、なんとなく、適量のお酒を飲むことは、健康に何とかいい効果があるでしょうの論調で、健康のため、禁酒にはならないです。今回の論文で、脳卒中、心臓と血管の病気、病死の原因と寿命まで、さらに発がん性も調べました。結論は、健康のため、お酒は「0」でした。良いことは1つもありませんでした。

2004年イタリアの研究の中、11.6万人の調査で、飲酒の量と心臓血管疾病の関係で、お酒を飲まないより、毎日20gアルコールを摂取する人の狭心症発生率は20%低下で、「適量飲酒」はいいの話の由来です。

しかし、他の病気で、毎日20gだけでも、多く種類の病気のリスクが増えます。口腔がんと咽頭がんのリスクは82%増加、食道がん39%増加、喉がんは43%増加、乳がんは25%、原発性高血圧は43%。肝硬変は1.9倍、慢性膵炎34%、結腸がん、直腸がん、肝臓がんも少し増加します。飲酒の量が増えれば、リスクはもっと高くなります。
ここでアジアの人がお酒を飲むと、がんになりやすい理由も説明しました。2018年1月3日の「Nature」雑誌に、JuanI Garaycoecheaなどの発表はアルコールの代謝物質は造血幹細胞を変異し、DNA異変は飲まない場合の四倍です。お酒を摂取するとがん、貧血、脳卒中などの疾病リスクが高くなります。

アルコールは身体に入ると、代謝は二段階あります。第一歩:アルコールは肝臓の働きでアルコールデヒドロゲナーゼ(アルコール脱水素酵素)によりアセトアルデヒドになり、第二歩はALDH2という酵素の働きで無害な酢酸に変わります。ALDH2には3つの型があり、日本人の37~38%は低活性型、6~7%は非活性型であるといわれ、日本人が欧米人に比べてお酒に弱いといわれるのにはこのことが関係しています。アセトアルデヒドがたまると、顔が赤くなる、動悸、吐き気など症状が出ます。WHOはアセトアルデヒドを一級発がん性物質と指定し、お酒を飲むと顔が赤くなる人は、がんのリスクが高いです。

お酒をやめた人の顔を見れば、適量はからだに良いというウソを見破れるでしょう。
2019-09-10