
2025-10-16
陶氏療法 ― 予防医学の最先端へ
2025-10-16
人類の知恵――哲学と科学から生命を見つめる
2025-10-15
故郷への愛
2025-10-14
黄金の秋・収穫の10月
2025-10-13
今年最後のパークゴルフ
2025-10-12
施療後の感想にみる生命の調律― 未病学エッセイ ―「子宮筋腫」,「不整脈」,「糖尿病」
2025-10-11
中国文化に見る“進数”の知恵
2025-10-10
市民公開未病セミナー2025 アンケート返答と感想
2025-10-09
さっぽろ市民カレッジ2026冬期ちえりあ学習ボランティア企画講座案内
2025-10-08
観光ラッシュ
2025-10-07
北海道観光機構への表敬訪問
2025-10-06
自転車譲渡事業の継続
2025-10-05
先輩たちの成功体験に学ぶ~教育と人生の可能性を語り合う会
2025-10-04
物事の陰陽の両面
2025-10-03
中国の定年後の生活

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ドクター陶の健康コラム・連載・vol.56 痛みの陰陽
高陽社の月間コーヨーライフ2024年十一月号に、「ドクター陶の健康コラム・連載」。内容を紹介します
痛みの陰陽
日常生活のなかで、私たちの体は痛みを感じることで情報を伝えています。一般的には、痛みは「悪いもの」や「異常」として捉えられがちですが、最近の「The Scientist」誌に掲載されたスネハ・ケドカー氏の報告「傷の治療中の痛みが良い兆候である理由」では、痛みが組織の修復に重要な役割を果たすことが示されています。一連の研究によると、感覚ニューロンが損傷した組織内で免疫系を調整することで、治癒を促進することが明らかになりました。
この研究を行った、モナシュ大学と大阪大学の再生医学の科学者ミカエル・マルティーノ氏によると、幹細胞の免疫系の相互作用に注目することで、損傷後の治癒メカニズムを更に解明することができたと言います。研究チームは、マウスの体が損傷した後、ニューロンの末端が損傷部位の周囲に集まり、神経系を助けている様子を観察しました。ニューロンの成長は予想以上であり、マルティーノ氏は「実際に神経が損傷した組織内で成長している様子を見た時、本当に驚きました。」と述べています。
下の写真は、ニューロンの末端が修復中の組織に伸び、免疫細胞の機能に影響を与えている様子だそうです。損傷した筋肉内の免疫細胞(黄色/オレンジ色)に囲まれているのが、ニューロン末端のクラスター(赤色)の部分です。
この研究は、人間の皮膚治癒、特に神経と免疫の相互作用に関する研究にも役立つ知見を提供しています。痛みの生理的な二面性(陰と陽)すなわち痛みが体に危険を知らせるだけでなく、治癒のプロセスにおいても重要な役割を果たしているという発見は、人体の奥深いメカニズムに対する理解が広がるものです。とても興味深い内容でした。
痛みの陰陽
日常生活のなかで、私たちの体は痛みを感じることで情報を伝えています。一般的には、痛みは「悪いもの」や「異常」として捉えられがちですが、最近の「The Scientist」誌に掲載されたスネハ・ケドカー氏の報告「傷の治療中の痛みが良い兆候である理由」では、痛みが組織の修復に重要な役割を果たすことが示されています。一連の研究によると、感覚ニューロンが損傷した組織内で免疫系を調整することで、治癒を促進することが明らかになりました。
この研究を行った、モナシュ大学と大阪大学の再生医学の科学者ミカエル・マルティーノ氏によると、幹細胞の免疫系の相互作用に注目することで、損傷後の治癒メカニズムを更に解明することができたと言います。研究チームは、マウスの体が損傷した後、ニューロンの末端が損傷部位の周囲に集まり、神経系を助けている様子を観察しました。ニューロンの成長は予想以上であり、マルティーノ氏は「実際に神経が損傷した組織内で成長している様子を見た時、本当に驚きました。」と述べています。
下の写真は、ニューロンの末端が修復中の組織に伸び、免疫細胞の機能に影響を与えている様子だそうです。損傷した筋肉内の免疫細胞(黄色/オレンジ色)に囲まれているのが、ニューロン末端のクラスター(赤色)の部分です。
この研究は、人間の皮膚治癒、特に神経と免疫の相互作用に関する研究にも役立つ知見を提供しています。痛みの生理的な二面性(陰と陽)すなわち痛みが体に危険を知らせるだけでなく、治癒のプロセスにおいても重要な役割を果たしているという発見は、人体の奥深いメカニズムに対する理解が広がるものです。とても興味深い内容でした。

2024-11-02