陶氏診療院

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薬の主作用と副作用①
カテゴリー 生活の知恵
主と副、役割、重要性により分けた用語です。主任と副主任、主食と副食、主役と脇(副)役、分担が違っても、協力する二つの要素でしょう。本来は正副の間、対立の意味がまったくないです。でも、薬の作用を表す時に、話は違います。

薬の開発時、さまざまな作用が主と副に分けられる時、主作用と副作用に対立の意味が入っています。主作用は薬を使っている時、望んでいる効果が出ることです。略すると薬の作用です。しかし期待される効果や作用に反対に出る作用は薬の開発者に都合が悪いから、毒と言い、副作用と呼びます。薬の副作用が薬の主作用の補助や脇役ではなく、完全に要らないことを言います。

薬の副作用は、正反対の作用のほか、薬の働きによる副作用もあります。たとえば頭痛薬は「解熱鎮痛」が主作用ですが、胃粘液の分泌を抑えるため、「胃・十二指腸の炎症」が副作用として現れることがあります。同様に、かぜ薬や鼻炎薬などに配合されている抗ヒスタミン薬は、「鼻炎を抑え、鼻水を止める」主作用に対し、神経の伝達を抑えるため、「眠気、倦怠感、口の渇き」などの副作用があります。

さらに、本人の免疫異常による副作用もあります。外部から侵入した「外敵や異物」に対して、その防御のために「免疫」機能がありますが、それが正しく働かないのが原因で現れるアレルギー性の副作用です。

アレルギーといえば、卵や牛乳、小麦、そば、エビ・カニなどが有名ですが、あらゆる物質がアレルギーの原因(アレルゲン)になり得ますし、薬も例外ではありません。

食べ物や薬に問題がなくても、体が「異物」と誤認し、薬疹やかぶれなどを引き起こします。ごくまれですが、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)などの重い皮膚症状や、アナフィラキシーショックを起こすこともあります。

薬の主作用と副作用を全部理解しても、臨床で思わぬ落とし穴があり、命に関わる事もしばしばあり、それは薬害より、医療事故として、片付けられるのが普通です。
2013-08-17